難波女にみつとはなしに葦の根の
よの短くて明くるわびしさ
- 歌の意味
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難波の女に逢ったというわけでもないのに、葦の節が短いように夜が短くて明けてしまう、このわびしさよ。
- 鑑賞
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巻第十二 恋歌四 887
詞書「忍びてまかりけれど、逢はざりければ」
難波の女に逢ったわけでもないのに、葦の節のように夜が短くて明けてしまうわびしさよ、と詠んだ歌である。ひそかに訪ねたのに逢えないまま夜が明けたむなしさを、難波の葦にちなむ語に託して詠んでいる。
詞書によれば、ひそかに出かけて行ったが逢えなかったときの歌である。本巻の第八百七十首も、夜の短さを嘆いている。
作者の小野道風は、小野篁の孫で、小野葛絃の子である。能書家として名高く、三蹟の一人に数えられる。
初句「難波女に」は、難波の女に、の意で、恋しい女を難波の女になぞらえている。
二句「みつとはなしに」は、逢ったというわけでもないのに、の意で、「みつ」に「見つ」と難波の「御津」を掛けている。
三句「葦の根の」は、葦の根の、の意で、難波の名物の葦を置き、四句の「よ」を導いている。
四句「よの短くて」は、夜が短くて、の意で、「よ」に葦の「節(よ)」と「夜」を掛けている。
結句「明くるわびしさ」は、明けてしまうわびしさよ、の意で、体言止めで余情を残している。
なにはめ:難波の女
みつ:「見つ」と、難波の「御津」を掛ける
よ:葦の「節(よ)」と、「夜」を掛ける
- 作者
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小野道風
- 出典
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後撰和歌集
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誓ひても猶思ふには負けにけり 誰がため惜しき命ならねば
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帰るべき方もおぼえず涙川 いづれか渡る浅瀬なるらむ