ほには出でぬいかにかせまし花すすき
身を秋風に捨てや果ててん
- 歌の意味
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思いは穂のように表に出てしまった。どうしたらよいのだろう。花すすきのように、この身を秋風に、飽きられるままに捨て果ててしまうのだろうか。
- 鑑賞
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巻第五 秋歌上 267
詞書「題しらず」
思いは穂のように表に出てしまったが、どうしたらよいのだろう、花すすきのようにこの身を秋風に捨て果ててしまうのだろうかと詠んだ歌である。人に知られてしまった恋に、飽きられて捨てられるのではないかという不安を、秋風になびく花すすきに託している。
作者の小野道風は小野篁の孫で、小野葛絃の子である。内蔵頭などを務め、正四位下に至った。書の名手として知られ、藤原佐理、藤原行成とともに三跡の一人に数えられる。
初句「ほには出でぬ」の「ほ」は、すすきの「穂」と、表にあらわれる意の「秀」を掛けた掛詞で、「ぬ」は完了の助動詞である。思いが表に出てしまった、の意で、ここで句切れとなる。
二句「いかにかせまし」の「か」は疑問の係助詞、「まし」はためらいの意を表す助動詞の連体形で、どうしたらよいのだろう、の意である。ここで句切れとなる。
三句「花すすき」は、穂の出たすすきで、初句の「ほ」の縁語である。
四句「身を秋風に」の「秋」には「飽き」が響き、相手に飽きられることを暗示している。秋風になびく花すすきに、わが身を重ねている。
結句「捨てや果ててん」の「や」は疑問の係助詞、「てん」は強意と推量で、捨て果ててしまうのだろうか、の意である。「や」と連体形「ん」が係り結びをなす。
ほ:すすきの「穂」と、表にあらわれる意の「秀」を掛ける
はなすすき:穂の出たすすき
- 作者
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小野道風
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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山里の物さびしさは荻の葉の なびくごとにぞ思ひやらるる
- 次の歌
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明け暮らし守るたのみを刈らせつつ 袂そほつの身とぞなりぬる