限りなく思ひいり日のともにのみ
西の山辺を眺めやるかな
- 歌の意味
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限りなく思い入って、沈む入り日とともに、ただ西の山のあたりを、はるかに眺めやることだ。
- 鑑賞
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巻第十二 恋歌四 879
詞書「太秦わたりに、大輔が侍りけるにつかはしける」
限りなく思い入って、入り日とともに西の山のあたりを眺めやることだ、と詠んだ歌である。都の西の太秦にいる恋人を思い、夕日の沈む西の山を見つめる心を詠んでいる。
詞書によれば、太秦のあたりに大輔がいたときに送った歌である。大輔は女房で、本巻の第八百八十三首には、道風が親に止められながら大輔のもとへ通った折の歌がある。
作者の小野道風は、小野篁の孫で、小野葛絃の子である。能書家として名高く、三蹟の一人に数えられる。
初句「限りなく」は、限りなく、の意である。
二句「思ひいり日の」は、深く思い入って、入り日の、の意で、「いり」に「思ひ入る」と「入り日」を掛けている。
三句「ともにのみ」は、とともにばかり、の意で、「のみ」は限定を表す。
四句「西の山辺を」は、西の山のあたりを、の意で、都の西にある太秦の方角を指している。
結句「眺めやるかな」は、はるかに眺めやることだ、の意で、「かな」は詠嘆を表す。
うづまさ:山城の地名、太秦
いりひ:沈む夕日。「思ひ入る」を掛ける
ながめやる:はるかに見やる、物思いにふけって見つめる
- 作者
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小野道風
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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うつつにもあらぬ心は夢なれや 見てもはかなきものを思へば
- 次の歌
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君が名の立つにとがなき身なりせば おほよそ人になして見ましや