君が名の立つにとがなき身なりせば
おほよそ人になして見ましや
- 歌の意味
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あなたの浮き名が立っても咎められない身であったなら、私をありふれた人のように扱うことがあっただろうか。
- 鑑賞
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巻第十二 恋歌四 880
詞書「女五のみこに」
あなたの浮き名が立っても咎められない身であったなら、私をありふれた人のように扱っただろうか、と詠んだ歌である。身分の高い皇女に対し、自分との噂が立つのをはばかって冷たくされるのだと嘆き、本心ではないはずだと訴えている。
詞書によれば、女五のみこに送った歌である。次歌の第八百八十一首は女五のみこによる返しで、二首で贈答となっている。
作者の「忠房朝臣」は藤原忠房である。藤原是嗣(興嗣とも)の子で、大和守、山城守などを経て右京大夫に至った。
初句「君が名の」は、あなたの評判が、の意である。
二句「立つにとがなき」は、立っても咎められない、の意で、浮き名が立つことを言っている。
三句「身なりせば」は、身であったならば、の意で、「せば」は反実仮想の仮定を表し、結句の「まし」と呼応している。
四句「おほよそ人に」は、ありふれた人に、の意で、次歌の第八百八十一首も「おほよそに」と同じ語で応じている。
結句「なして見ましや」は、扱って見ただろうか、の意で、「や」は反語を表す。
とが:とがめられるべき点、罪
おほよそびと:ありふれた人、自分と関わりのない人
- 作者
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藤原忠房
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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限りなく思ひいり日のともにのみ 西の山辺を眺めやるかな
- 次の歌
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絶えぬると見ればあひぬる白雲の いとおほよそに思はずもがな