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絶えぬると見ればあひぬる白雲の
いとおほよそに思はずもがな

歌の意味
途切れたかと見ればまた寄り合う白雲のように、あなたのことを、ごく通りいっぺんにしか思わないでいられたらよいのに。
鑑賞
巻第十二 恋歌四 881

詞書「返し」
 途切れたと見ればまた寄り合う白雲のように、あなたを通りいっぺんに思わずにいられたらよいのに、と詠んだ歌である。ありふれた人のように扱われると嘆く相手に対し、むしろ通りいっぺんに思えたらどれほど楽かと、断ち切れない思いをほのめかしている。
 前歌の第八百八十首への返しである。前歌の「おほよそ人」を受けて「おほよそに」と応じている。
 作者の「女五のみこ」は、天皇の第五皇女を意味する呼称である。誰を指すかについては定説を見ない。

 初句「絶えぬると」は、途切れたと、の意である。
 二句「見ればあひぬる」は、見るとまた寄り合う、の意で、離れては寄り合う白雲のさまに、途切れそうで続く二人の仲を重ねている。
 三句「白雲の」は、白雲のように、の意である。
 四句「いとおほよそに」は、ごく通りいっぺんに、の意で、前歌の四句「おほよそ人に」を受けている。
 結句「思はずもがな」は、思わずにいられたらよいのに、の意で、「もがな」は願望を表す。

しらくも:白い雲
おほよそ:通りいっぺん、なおざり
作者
女五のみこ
出典
後撰和歌集
前の歌
君が名の立つにとがなき身なりせば おほよそ人になして見ましや
次の歌
今日そへに暮れざらめやはと思へども 堪へぬは人の心なりけり