塩といへばなくてもからき世の中に
いかであへたるたたみなるらん
- 歌の意味
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塩といえば、それがなくてさえ辛いこの世の中で、どうして和えてあるたたみなどあるのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十五 雑歌一 1095
詞書「塩なき年、たたみあへてと侍りければ」
塩がなくてさえ辛いこの世の中で、どうして和えてあるたたみなどあるだろうか、と詠んだ歌である。「からき」に塩辛い意と世のつらさを重ね、塩のない年に和え物を求められた困惑を、自らの名でもある「たたみ」に寄せて機知で答えている。
詞書によれば、塩のない年に、たたみを和えてくれと言われたので詠んだ歌とみられるが、詞書の意には明らかでない点が残る。
作者のたたみは、詳しい伝は未詳で、詞書と歌の「たたみ」の語から、その名で呼ばれた人とみられる。
初句「塩といへば」は、塩のことを言えば、の意で、詞書の塩のない年を受けている。
二句「なくてもからき」は、塩がなくても辛い、の意で、「からき」に塩辛い意と、つらい意を掛けている。
三句「世の中に」は、この世の中で、の意である。
四句「いかであへたる」は、どうして和えてある、の意で、「あへ」は塩などで和える意である。
結句「たたみなるらん」は、たたみなのだろうか、の意で、「らん」は現在の原因推量の助動詞である。作者の名でもある「たたみ」を詠み込んでいる。
からし:塩辛い意と、つらい意を掛ける
あふ:食物を塩や酢などで和える
- 作者
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たたみ
- 出典
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後撰和歌集
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我のみは立ちも帰らぬ暁に わきても置ける袖の露かな
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住吉のきしとも言はじ沖つ浪 なほうちかけようらはなくとも