ひとりのみながめて年をふるさとの
荒れたるさまをいかに見るらむ
- 歌の意味
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ひとりきりで物思いにふけって年を経てきた古里の、荒れ果てた様子を、どのような思いで見ていることだろうか。
- 鑑賞
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巻第十五 雑歌一 1119
詞書「京極の御息所、尼になりて戒受けんとて、仁和寺に渡りて侍りければ」
ひとり物思いにふけって年を経た古里の荒れたさまを、どのように見ていることだろう、と詠んだ歌である。出家して仁和寺に移った京極御息所の心を思いやり、残された住まいの荒廃に寂しさを重ねている。
詞書によれば、京極御息所が尼になって受戒しようと、仁和寺に移っていたので詠んだ歌である。京極御息所は藤原時平の娘褒子で、宇多法皇の寵愛を受けた。仁和寺は宇多法皇ゆかりの寺である。
作者の「あつみのみこ」は敦実親王である。宇多天皇の皇子で、式部卿を務め、のちに出家して仁和寺に住んだ。管弦に優れたことで知られる。
初句「ひとりのみ」は、ひとりきりで、の意である。
二句「ながめて年を」は、物思いにふけって年を、の意で、「ながめ」に物思いにふける意と、「長雨」を響かせている。
三句「ふるさとの」は、古里の、の意で、「ふる」に年を「経る」と「古里」を掛けている。
四句「荒れたるさまを」は、荒れ果てた様子を、の意である。
結句「いかに見るらむ」は、どのように見ていることだろう、の意で、「らむ」は現在推量の助動詞である。
ながむ:物思いにふけってぼんやり見やる意に、長雨の意を響かせる
ふるさと:年を経る意の「経る」と、古里の意を掛ける
みやすどころ:天皇や上皇の寵を受けた女性
かい:仏教の戒律
- 作者
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敦実親王
- 出典
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後撰和歌集
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ふるる身は涙の中に見ゆればや ながらの橋にあやまたるらん
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まめなれどあだ名は立ちぬたはれ島 よる白浪を濡れ衣に着て