まめなれどあだ名は立ちぬたはれ島
よる白浪を濡れ衣に着て
- 歌の意味
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私はまじめなのに、浮気者という評判は立ってしまった。たはれ島に寄せる白波を、濡れ衣として着せられて。
- 鑑賞
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巻第十五 雑歌一 1120
詞書「女のあだなりと言ひければ」
実直なのに浮気だという評判が立ってしまった、たはれ島に寄せる白波を濡れ衣として着て、と詠んだ歌である。「たはれ島」に戯れの意、「濡れ衣」に無実の罪を重ね、女に浮気者と言われた不当さを、海辺の景に寄せて訴えている。
詞書によれば、女が、あなたは浮気な人だと言ったので詠んだ歌である。
作者の「あさつなの朝臣」は大江朝綱である。大江音人の孫で、参議に至った。漢詩文に優れ、祖父の音人に対して後江相公と呼ばれた。
初句「まめなれど」は、まじめであるけれど、の意で、「まめ」は誠実な意、「ど」は逆接を表す。
二句「あだ名は立ちぬ」は、浮気者という評判は立ってしまった、の意で、「あだ名」は浮気だという噂をいう。ここで句切れとなる。
三句「たはれ島」は、肥後国の歌枕のたはれ島で、「たはれ」に戯れる意を掛けている。
四句「よる白浪を」は、寄せる白波を、の意で、「よる」に波が「寄る」と「夜」を掛け、波の縁で二句の「立ち」と応じている。
結句「濡れ衣に着て」は、濡れた衣として着て、の意で、波に濡れた衣に、無実の罪の意の「濡れ衣」を掛けている。
たはれじま:肥後国の歌枕。戯れる意を掛ける
あだな:浮気だという評判
ぬれぎぬ:濡れた衣の意と、無実の罪の意を掛ける
よる:波が寄せる意と、夜の意を掛ける
まめ:誠実であること
- 作者
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大江朝綱
- 出典
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後撰和歌集
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ひとりのみながめて年をふるさとの 荒れたるさまをいかに見るらむ
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年を経て頼むかひなし常磐なる 松の梢も色変はりゆく