年を経て頼むかひなし常磐なる
松の梢も色変はりゆく
- 歌の意味
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長年頼みにしてきた甲斐もない。いつも変わらない緑のはずの松の梢さえ、色が変わっていく。
- 鑑賞
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巻第十五 雑歌一 1121
詞書「あひ語らひける人の家の松の梢の紅葉たりければ」
年を経て頼みにしてきた甲斐もない、常緑の松の梢さえ色が変わっていく、と詠んだ歌である。変わらないはずの松が紅葉したのを見て、心変わりしないと信じていた相手の心の移ろいを嘆いている。
詞書によれば、親しく語り合っていた人の家の松の梢が紅葉していたので詠んだ歌である。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「年を経て」は、長い年月を経て、の意である。本巻の第千百五首の初句も同じ「年をへて」で始まり、そちらは濁らない水を、本歌は色の変わる松を詠んで、変わらないものと変わるものとの対をなしている。
二句「頼むかひなし」は、頼みにしてきた甲斐もない、の意で、ここで句切れとなる。
三句「常磐なる」は、いつも変わらない、の意で、常緑の松をいう。
四句「松の梢も」は、松の梢さえも、の意で、「も」は、変わるはずのないものまで、という気持ちを表す。
結句「色変はりゆく」は、色が変わっていく、の意で、相手の心変わりを松の紅葉にたとえている。
ときは:永久に変わらないこと。常緑
こずゑ:木の枝の先
あひかたらふ:親しく語り合う。契りを交わす
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
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まめなれどあだ名は立ちぬたはれ島 よる白浪を濡れ衣に着て
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隔てける人の心のうきはしを 危ふきまでもふみ見つるかな