身をつめば露をあはれと思ふかな
暁ごとにいかでおくらん
- 歌の意味
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我が身をつねって引き比べてみると、露をいとおしく思うことだ。私が暁ごとに起きて別れるように、露は暁ごとに、どうやって置くのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十二 恋歌二 730
詞書は前の歌に続き「女につかはしける」
我が身に引き比べると露がいとおしく思われる、暁ごとにどうやって置くのだろうかと詠む歌である。「おく」に露が「置く」と人が「起く」を掛け、暁ごとに起きて別れなければならない自分の身を、暁ごとに草葉に置く露に重ねて、露への共感を表している。詞書は前歌の第七百二十九首に続き、女に贈った歌とされる。
初句「身をつめば」は、我が身をつねってみると、の意で、我が身に引き比べて他を思いやることをいう。巻頭の第六百九十八首の四句「身をつみてだに」と同じ言い回しである。
二句「露をあはれと」は、露をいとおしいと、の意である。
三句「思ふかな」は、思うことだ、の意で、ここで句切れとなる三句切れの歌である。
四句「暁ごとに」は、夜明け前ごとに、の意で、男が女のもとを去る時刻をいう。
結句「いかでおくらん」は、「おく」が露が「置く」と、人が「起く」を掛ける掛詞である。「いかで」は、どうして、の意、「らん」は推量の助動詞である。本巻の第七百十五首の四句「おきてわびしき」と同じ掛詞を用いている。
つむ:抓む。つねる
おく:露が「置く」意と、人が「起く」意を掛ける
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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朝氷とくる間もなき君により などてそほつる袂なるらん
- 次の歌
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憂しと思ふものから人の恋しきは いづこをしのぶ心なるらん