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ほととぎす尋ぬるだにもあるものを
待つ人いかで声を聞くらむ

歌の意味
ほととぎすは、探し求めて訪ねてさえ聞けないことがあるのに、ただ待っているだけの人がどうしてその声を聞けるのだろうか。
鑑賞
巻第二 夏歌 125

 ほととぎすは自分から尋ね歩いてさえ聞けないことがあるのに、家で待っているだけの人がどうして聞くことができようか、と詠む歌である。尋ねる人と待つ人とを比べ、ほととぎすの声を聞くことの難しさを表している。
 本巻の第百十七首の待つ人の家を知らずに過ぎるほととぎすの歌と響き合い、待つだけでは聞けないという同じ嘆きを、尋ねる人との対比で詠んでいる。
 本巻の第百四首から第百二十六首まではほととぎすの歌が続く。初音を待ち、尋ね、聞き得た喜びや聞き逃した嘆きなど、ほととぎすをめぐるさまざまな心が詠まれていく。

 初句「ほととぎす」と主題を示して詠み起こす。
 二句「尋ぬるだにも」の「だに」は程度の軽いものを挙げて重いものを類推させる副助詞で、尋ねてさえの意となる。
 三句「あるものを」は逆接で、尋ねてさえ聞けないことがあるのにの意となる。聞けないという内容は言外に込められている。
 四句「待つ人いかで」は待つだけの人がどうしての意で、疑問の副詞「いかで」が結句の「らむ」と呼応する。
 結句「声を聞くらむ」の「らむ」は現在推量の助動詞で、どうして聞けるだろうかと反語的に詠んでいる。

たづぬ:探し求めて訪ねる
作者
よみ人しらず
出典
金葉和歌集
前の歌
我妹子にあふさか山のほととぎす 明くれば帰る空に鳴くなり
次の歌
ほととぎす雲路にまどふ声すなり 小止みだにせよ五月雨の空