我妹子にあふさか山のほととぎす
明くれば帰る空に鳴くなり
- 歌の意味
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愛しい人に逢うという名の逢坂山のほととぎすは、夜が明けると恋人のもとから帰っていく空で鳴いているようだ。
- 鑑賞
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巻第二 夏歌 124
逢坂山のほととぎすが、夜明けに恋人のもとから帰っていく者の空で鳴いているようだ、と詠む歌である。逢坂という地名に恋人に逢う意を重ね、後朝の別れの切なさとほととぎすの声とを結びつけている。
本巻の第百四首から第百二十六首まではほととぎすの歌が続く。初音を待ち、尋ね、聞き得た喜びや聞き逃した嘆きなど、ほととぎすをめぐるさまざまな心が詠まれていく。
初句「我妹子に」は愛しい人にの意で、二句の「あふ」を導いている。
二句「あふさか山の」の「あふさか」は、近江と山城の境の逢坂山に、恋人に「逢ふ」意を掛けた掛詞である。
三句「ほととぎす」は逢坂山に鳴く鳥として置かれている。
四句「明くれば帰る」は夜が明けると帰っていくの意で、恋人と一夜を過ごした者が夜明けに帰っていく後朝の別れを思わせる。
結句「空に鳴くなり」の「なり」は音声による推定の助動詞で、帰っていく空で鳴いているらしいと推し量っている。
わぎもこ:男性が妻や恋人を親しんで呼ぶ語
あふさか:近江と山城の境の逢坂山に、恋人に「逢ふ」意を掛ける
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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ほととぎす雲の絶え間にもる月の 影ほのかにも鳴きわたるかな
- 次の歌
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ほととぎす尋ぬるだにもあるものを 待つ人いかで声を聞くらむ