大島に水を運びし早舟の
はやくも人にあひ見てしかな
- 歌の意味
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大島に水を運んだという速い舟のように、早くあの人に逢いたいものだ。
- 鑑賞
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巻第十二 恋歌四 829
詞書「女につかはしける」
大島に水を運んだ早舟のように、早くあの人に逢いたい、と詠んだ歌である。早舟の速さに、一刻も早く逢いたいという心のはやりを重ねている。
詞書によれば、女のもとへ送った歌である。上の三句を序詞とし、「はや舟」から「はやくも」へと同じ音を重ねて導く、軽快な調べの一首である。
作者の大江朝綱は、大江音人の孫で、参議に至った。漢詩文に優れ、祖父の音人が江相公と呼ばれたのに対し、後江相公と呼ばれた。
初句「大島に」は、大島という島に、の意である。どの島を指すかは定かでない。
二句「水を運びし」は、水を運んだ、の意で、「し」は過去の助動詞「き」の連体形である。
三句「早舟の」は、速く進む舟の、の意で、上の三句が同じ音の「はやくも」を導く序詞となっている。
四句「はやくも人に」は、早くもあの人に、の意で、三句の「早舟」を同じ音で受けている。
結句「あひ見てしかな」は、逢いたいものだ、の意で、「てしかな」は願望を表す。
はやふね:速く進む舟
- 作者
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大江朝綱
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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白浪のうち出づる浜の浜千鳥 あとや尋ぬるしるべなるらん
- 次の歌
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ひたふるに思ひなわびそ古さるる 人の心はそれぞ世の常