昔よりくらまの山と言ひけるは
我がごと人も夜や越えけん
- 歌の意味
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昔から暗いという名のくらまの山と呼ばれてきたのは、私のように、人もまた夜にこの山を越えたからだろうか。
- 鑑賞
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巻第十六 雑歌二 1140
詞書「鞍馬の坂を夜越ゆとてよみ侍りける」
昔からくらまの山と呼ばれてきたのは、私のように人も夜に越えたからだろうか、と詠んだ歌である。鞍馬の名に暗いの意を読み取り、夜の山越えの心細さを、山の名の由来をいぶかる機知に託している。
詞書によれば、鞍馬の坂を夜に越えるときに詠んだ歌である。
作者は「亭子院にいまあこと召しける人」とあり、宇多法皇の御所亭子院で「いまあこ」と呼ばれた女房である。名や伝は未詳である。
初句「昔より」は、昔から、の意である。
二句「くらまの山と」は、鞍馬山と、の意で、「くらま」に「暗ま」すなわち暗い意を掛けている。
三句「言ひけるは」は、言ってきたのは、の意である。
四句「我がごと人も」は、私のように、人も、の意で、「ごと」は、のように、の意である。
結句「夜や越えけん」は、夜に越えたのだろうか、の意で、「や」は疑問の係助詞で、連体形「けん」で結ぶ係り結びとなっている。山の名の由来を夜の山越えに求めている。
くらま:山城国の鞍馬山の名に、暗い意を掛ける
ていじのゐん:宇多法皇の御所
- 作者
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いまあこ
- 出典
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後撰和歌集
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はかなくて絶えなむくものいとゆゑに 何にか多くかかむとぞ思ふ
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