万代を契りし事のいたづらに
人笑へにもなりぬべきかな
- 歌の意味
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万代までもと約束したことがむなしくなって、人の笑いものにもなってしまいそうだ。
- 鑑賞
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巻第十六 雑歌二 1145
詞書「病して心細しとて、大輔につかはしける」
万代までもと契ったことがむなしくなって、人の笑いものになってしまいそうだ、と詠んだ歌である。病に心細くなり、永遠を誓い合った仲も自分の死によって果たせなくなるかと、弱気な思いを大輔に打ち明けている。
詞書によれば、病気になって心細いと言って、大輔に送った歌である。次歌に大輔の返しがあり、贈答となっている。
作者の藤原敦敏は、藤原実頼の長男で、若くして世を去った。
初句「万代を」は、万代までもと、の意で、永遠の仲を誓ったことをいう。次歌の三句にも「万代」が詠まれている。
二句「契りし事の」は、約束したことが、の意で、「し」は過去の助動詞「き」の連体形である。次歌の四句がこの句を受けている。
三句「いたづらに」は、むなしく、の意で、約束が果たせなくなることをいう。
四句「人笑へにも」は、人の笑いものにも、の意である。
結句「なりぬべきかな」は、なってしまいそうだ、の意で、「ぬべし」は強い推量、「かな」は詠嘆を表す。
ひとわらへ:人の笑いものになること
ちぎる:約束する。誓い合う
- 作者
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藤原敦敏
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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望月の駒より遅く出でつれば たどるたどるぞ山は越えつる
- 次の歌
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かけて言へばゆゆしきものを万代と 契りし事やかなはざるべき