かけて言へばゆゆしきものを万代と
契りし事やかなはざるべき
- 歌の意味
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口に出して言うだけでも縁起でもないのに。万代までもと約束したことが、かなわないことなどあろうか。
- 鑑賞
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巻第十六 雑歌二 1146
詞書「返し」
口に出すだけでも忌まわしいのに、万代までもと契ったことがかなわないはずがあろうか、と詠んだ歌である。前歌の弱気な言葉をたしなめ、誓いは必ずかなうと励まして、病の人を力づけている。
前歌の藤原敦敏の歌に対する大輔の返しである。
作者の大輔は、後撰和歌集の時代の女房歌人で、源弼の娘とされる。
初句「かけて言へば」は、口に出して言えば、の意で、字余りとなっている。
二句「ゆゆしきものを」は、縁起でもないのに、の意で、「ものを」は逆接の詠嘆を表す。ここで句切れとなる。
三句「万代と」は、万代までもと、の意で、前歌の初句「万代を」を受けている。
四句「契りし事や」は、約束したことが、の意で、前歌の二句と同じ語を用いている。「や」は反語の係助詞で、結句の連体形「べき」で結ぶ係り結びとなっている。
結句「かなはざるべき」は、かなわないはずがあろうか、の意で、四句の「や」を受けて結び、必ずかなうという意をこめている。
かく:口に出して言う
ゆゆし:縁起が悪い。忌まわしい
- 作者
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大輔
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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万代を契りし事のいたづらに 人笑へにもなりぬべきかな
- 次の歌
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散ると見て袖に受くれどたまらぬは 荒れたる浪の花にぞありける