いとかくてやみぬるよりは稲妻の
光の間にも君を見てしか
- 歌の意味
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このまま終わってしまうよりは、稲妻の光るほんの一瞬の間だけでも、あなたに逢いたいものだ。
- 鑑賞
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巻第十二 恋歌四 883
詞書「道風忍びてまうで来けるに、親聞きつけて制しければ、つかはしける」
このまま終わってしまうよりは、稲妻の光る間だけでもあなたに逢いたい、と詠んだ歌である。親に阻まれて逢えなくなる恋を闇にたとえ、たとえ一瞬でも逢いたいという切実な思いを訴えている。
詞書によれば、小野道風がひそかに通って来ていたが、親が聞きつけて止めたので送った歌である。本巻の第八百七十九首は、道風が太秦あたりにいた大輔に送った歌である。
作者の大輔は女房で、詳しい出自は定かでない。小野道風、藤原朝忠、藤原敦忠らと恋の歌を交わしたことで知られる。
初句「いとかくて」は、本当にこのままで、の意である。
二句「やみぬるよりは」は、終わってしまうよりは、の意で、「やみ」に「止み」と「闇」を響かせ、三句の「稲妻」と対比させている。
三句「稲妻の」は、稲妻の、の意で、ほんの一瞬のたとえとしている。
四句「光の間にも」は、光るほんの一瞬の間だけでも、の意で、二句の「やみ」と光とを対比させている。
結句「君を見てしか」は、あなたに逢いたいものだ、の意で、「てしか」は願望を表す。
やむ:終わる意に、「闇」を響かせる
いなづま:稲妻
- 作者
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大輔
- 出典
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後撰和歌集
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今日そへに暮れざらめやはと思へども 堪へぬは人の心なりけり
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いたづらに立ち帰りにし白浪の なごりに袖の干る時もなし