紅葉葉を幣と手向けて散らしつつ
秋とともにや行かむとすらん
- 歌の意味
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紅葉の葉を幣として手向け、散らしながら、去りゆく秋とともに行こうとしているのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十九 離別歌 1338
詞書「西四条の斎宮の九月晦日下りたまひける供なる人に、幣つかはすとて」
紅葉葉を幣と手向けて散らしながら、秋とともに行こうとするのだろうか、と詠んだ歌である。秋の最後の日である九月の晦日に伊勢へ下る斎宮の供人に、紅葉を幣として散らしつつ、去りゆく秋と連れ立って旅立つさまを思いやっている。
詞書によれば、西四条の斎宮が九月の晦日に伊勢へ下った時、その供をする人に幣を贈るにあたって詠んだ歌である。西四条の斎宮は、醍醐天皇の皇女雅子内親王を指すとみられる。前歌に続き、紅葉を幣とする歌である。
作者の大輔は、平安時代中期の女房歌人とみられるが、詳しい伝は未詳である。
初句「紅葉葉を」は、紅葉の葉を、の意で、前歌の「紅葉」を受けている。
二句「幣と手向けて」は、幣として道の神に供えて、の意である。
三句「散らしつつ」は、散らしながら、の意で、「つつ」は継続を表す。
四句「秋とともにや」は、去りゆく秋とともに、の意で、「や」は疑問の係助詞である。九月晦日は秋の終わる日である。
結句「行かむとすらん」は、行こうとしているのだろうか、の意で、四句の「や」を受けて連体形「らん」で結ぶ係り結びとなっている。
さいぐう:伊勢神宮に奉仕する未婚の皇女、斎宮
つごもり:月の末日
くだる:都から地方へ行く
- 作者
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大輔
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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秋深く旅行く人の手向けには 紅葉にまさる幣なかりけり
- 次の歌
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待ちわびて恋しくならば尋ぬべく 跡なき水の上ならで行け