秋深く旅行く人の手向けには
紅葉にまさる幣なかりけり
- 歌の意味
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秋が深まる中を旅して行く人の手向けとしては、紅葉にまさる幣はないのであった。
- 鑑賞
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巻第十九 離別歌 1337
詞書「秋旅まかりける人に、幣を紅葉の枝につけてつかはしける」
秋深く旅行く人の手向けには、紅葉にまさる幣はなかった、と詠んだ歌である。晩秋に旅立つ人に、幣を紅葉の枝に結んで贈り、色鮮やかな紅葉こそ道の神への手向けにふさわしいと詠んでいる。
詞書によれば、秋に旅に出る人に、幣を紅葉の枝につけて贈った歌である。次歌も紅葉を幣として手向ける歌で、二首が並べて置かれている。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「秋深く」は、秋が深まる中を、の意である。
二句「旅行く人の」は、旅をして行く人の、の意である。
三句「手向けには」は、道の神に供える手向けとしては、の意である。本巻の第千三百五首の二句にも「手向け」が見える。
四句「紅葉にまさる」は、紅葉にまさる、の意である。
結句「幣なかりけり」は、幣はないのであった、の意で、「けり」は気づきを表す。
たむけ:旅の安全を祈って道の神に供えるもの
ぬさ:神に手向ける供え物、布や紙を細かく切ったもの
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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君をのみいつはたと思ひこしなれば 往き来の道ははるけからじを
- 次の歌
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紅葉葉を幣と手向けて散らしつつ 秋とともにや行かむとすらん