古里の奈良の都の始めより
なれにけりとも見ゆる衣か
- 歌の意味
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古い都である奈良の都の始まりのころから着慣れてしまったとも見える、古びた衣だこと。
- 鑑賞
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巻第十五 雑歌一 1113
詞書「雅正が宿直物を取り違へて、大輔が許へ持て来たりければ」
古い奈良の都のころから着慣れたかと見える衣だ、と詠んだ歌である。雅正が取り違えて持ってきた宿直の夜具が古びていたのをからかい、「なら」と「なれ」の音を響かせて、ひどく着古した衣だと笑っている。
詞書によれば、藤原雅正が宿直用の夜具を取り違えて、大輔のもとに持ってきたので詠んだ歌である。次歌に雅正の返しがあり、贈答となっている。
作者の大輔は、後撰集の時代の女房歌人で、源弼の娘とされる。
初句「古里の」は、古い都の、の意で、奈良の都を指している。
二句「奈良の都の」は、奈良の都の、の意で、「なら」の音を四句の「なれ」に響かせている。
三句「始めより」は、始まりのころから、の意で、遠い昔からと誇張している。
四句「なれにけりとも」は、着慣れてしまったとも、の意で、「なれ」は衣が着古されて柔らかくなる意である。
結句「見ゆる衣か」は、見える衣であることよ、の意で、「か」は詠嘆を表す。
とのゐもの:宮中に宿直するときに用いる夜具や衣服
なる:衣が着古されて柔らかくなる。慣れ親しむ
- 作者
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大輔
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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いにしへも契りてけりなうちはぶき 飛び立ちぬべし天の羽衣
- 次の歌
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古りぬとて思ひも捨てじ唐衣 よそへてあやな恨みもぞする