かひもなき草の枕に置く露の
何に消えなで落ちとまりけん
- 歌の意味
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甲斐もない旅寝の草の枕に置いた露が、どうして消えてしまわずに、そこに落ちとどまったのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十八 雑歌四 1285
詞書「返し」
かいもない草の枕に置いた露が、どうして消えずに落ちとどまったのか、と詠んだ歌である。前歌で数珠の玉を露に見立てたのを受け、取るに足りない自分の仮寝に置いた露が消えずに残ったことを恥じつつ、届けてくれた礼を述べている。
前歌の源等の歌に対する法師の返しである。
作者は「ある法師」とあり、名は伝わらない。
初句「かひもなき」は、甲斐もない、取るに足りない、の意である。
二句「草の枕に」は、旅寝の仮の枕に、の意で、前歌の「うたた寝の床」を受けている。
三句「置く露の」は、置いた露が、の意で、前歌の四句「おきける」と結句「露」を受けている。
四句「何に消えなで」は、どうして消えてしまわずに、の意である。
結句「落ちとまりけん」は、落ちとどまったのだろう、の意で、「けん」は過去の原因の推量を表す。
くさのまくら:旅寝の仮の枕、仮寝
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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うたた寝の床にとまれる白玉は 君がおきける露にやあるらん
- 次の歌
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思ひやる方も知られず苦しきは 心まどひの常にやあるらむ