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思ひやる方も知られず苦しきは
心まどひの常にやあるらむ

歌の意味
思いを晴らす方法もわからずに苦しいのは、心が乱れ惑うことの常なのだろうか。
鑑賞
巻第十八 雑歌四 1286

詞書「題しらず」
 思いを晴らすすべもわからず苦しいのは、心の迷いの常なのだろうか、と詠んだ歌である。恋に乱れて、どうにも思いを晴らしようのない苦しさを、心まどいとはそういうものかと嘆いている。
 作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。

 初句「思ひやる」は、思いを晴らす、の意である。
 二句「方も知られず」は、方法もわからず、の意で、「れ」は可能を表す。
 三句「苦しきは」は、苦しいのは、の意である。
 四句「心まどひの」は、心が乱れ惑うことの、の意である。
 結句「常にやあるらむ」は、常なのだろうか、の意で、「や」は疑問の係助詞で、連体形「らむ」で結ぶ係り結びとなっている。本巻の第千二百八十四首の結句「露にやあるらん」と同じ形の結びである。

おもひやる:思いを晴らす、気を晴らす
こころまどひ:心が乱れ惑うこと
作者
よみ人しらず
出典
後撰和歌集
前の歌
かひもなき草の枕に置く露の 何に消えなで落ちとまりけん
次の歌
鈴虫に劣らぬ音こそなかれけれ 昔の秋を思ひやりつつ