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うたた寝の床にとまれる白玉は
君がおきける露にやあるらん

歌の意味
うたた寝をした床に残っている白玉は、あなたが起きて帰るときに置いていった露なのだろうか。
鑑賞
巻第十八 雑歌四 1284

詞書「ある法師の、源等朝臣の家にまかりて、数珠のすがりを落とし置けるを、朝に送るとて」
 うたた寝の床に残る白玉は、あなたが起きて置いていった露だろうか、と詠んだ歌である。法師が落としていった数珠の玉を、別れの朝に置く露に見立て、恋の歌めかした機知で送り届けている。
 詞書によれば、ある法師が作者の家を訪れて数珠の飾りを落としていったのを、翌朝送り返すときに添えた歌である。次歌は法師の返しで、二首は贈答の一組となっている。
 作者の「源のひとしの朝臣」は源等である。嵯峨源氏で、参議に至った。小倉百人一首には「浅茅生の小野の篠原しのぶれど」の歌が採られている。

 初句「うたた寝の」は、仮寝の、の意である。
 二句「床にとまれる」は、床に残っている、の意である。
 三句「白玉は」は、白い玉は、の意で、落とされた数珠の玉を露に見立てている。
 四句「君がおきける」の「おき」は、露を「置き」と、床から「起き」を掛けた掛詞で、あなたが起きて置いていった、の意である。
 結句「露にやあるらん」は、露なのだろうか、の意で、「や」は疑問の係助詞で、連体形「らん」で結ぶ係り結びとなっている。次歌の三句「置く露の」に受けられている。

すがり:数珠の房の先などにつける飾りとみられる
おく:露が「置く」意と、床から「起く」意を掛ける
しらたま:白い玉、真珠
作者
源等
出典
後撰和歌集
前の歌
憂きながら人を忘れんことかたみ 我が心こそ変はらざりけれ
次の歌
かひもなき草の枕に置く露の 何に消えなで落ちとまりけん