憂きながら人を忘れんことかたみ
我が心こそ変はらざりけれ
- 歌の意味
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つらく思いながらも、あの人を忘れることは難しいので、私の心だけは変わらないのだった。
- 鑑賞
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巻第十八 雑歌四 1283
詞書「異人をあひ語らふと聞きてつかはしける」
つらいながらも人を忘れることは難しいので、我が心こそ変わらなかった、と詠んだ歌である。相手がほかの人と親しくしていると聞き、心変わりした相手に対して、忘れられずに変わらない自分の心を嘆いている。
詞書によれば、相手がほかの人と親しく交際していると聞いて送った歌である。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「憂きながら」は、つらいと思いながら、の意である。
二句「人を忘れん」は、あの人を忘れることが、の意である。
三句「ことかたみ」は、難しいので、の意で、「かたみ」は「難し」の語幹に「み」がついて理由を表す。「こと」に詞書の「異人」の「異」を響かせている。ここで句切れとなる。
四句「我が心こそ」は、私の心こそ、の意で、「こそ」は強意の係助詞である。心変わりした相手の心と対比している。
結句「変はらざりけれ」は、変わらないのだった、の意で、四句の「こそ」を受けて已然形「けれ」で結ぶ係り結びとなっている。本巻の第千三百一首の結句「変はらざりけり」と同じ言葉である。
ことびと:ほかの人
あひかたらふ:親しく交際する
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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人心嵐の風の寒ければ このめも見えず枝ぞしをるる
- 次の歌
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うたた寝の床にとまれる白玉は 君がおきける露にやあるらん