かげろふに見しばかりにや浜千鳥
行方も知らぬ恋にまどはん
- 歌の意味
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かげろうのようにほのかに見ただけなのに、浜千鳥が行方も知れず飛びまどうように、先の見えない恋に迷うのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十 恋歌二 654
詞書「題しらず」
かげろうのようにほのかに見ただけで、浜千鳥のように行方も知れない恋に迷うのか、と詠んだ歌である。わずかに見かけただけの相手に深く心を奪われた戸惑いを表している。
本巻の第六百三十五首、第六百九十五首も浜千鳥を詠んでいる。
作者の「ひとしの朝臣」は源等である。嵯峨天皇の曾孫で、参議を務めた。小倉百人一首には「浅茅生の小野の篠原しのぶれど」の歌が採られている。
初句「かげろふに」は、かげろうのようにほのかに、の意である。
二句「見しばかりにや」は、見ただけで、の意で、「や」は疑問の係助詞である。
三句「浜千鳥」は、浜辺の千鳥で、行方も定めず飛ぶことから四句の「行方も知らぬ」を導いている。
四句「行方も知らぬ」は、行く先もわからない、の意である。
結句「恋にまどはん」は、恋に迷うのだろうか、の意で、二句の「や」を受けて連体形「ん」で結ぶ係り結びとなっている。
かげろふ:陽炎、ほのかではかないもの
はまちどり:浜辺にいる千鳥
- 作者
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源等
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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よそにのみまつははかなき住の江の ゆきてさへこそ見まくほしけれ
- 次の歌
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わたつみの底のありかは知りながら かづきて入らん浪の間ぞなき