- 歌の意味
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遠く思いを馳せる心だけは何ものにも妨げられないだろうに、どうして隔てようとするのか、峰の白雲よ。
- 鑑賞
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巻第十九 離別歌 1306
詞書「遠くまかりける人に餞し侍りける所にて」
思いやる心だけは妨げられないだろうに、なぜ隔てるのか、峰の白雲よ、と詠んだ歌である。旅立つ人との間を隔てる白雲を責めながら、遠く離れても思いやる心は通い続けると、変わらぬ思いを伝えている。
詞書によれば、遠くへ下る人に餞別の宴を催した所で詠んだ歌である。
作者の橘直幹は、平安時代中期の文人で、文章博士、式部大輔などを務めた。漢詩文に優れたことで知られる。
初句「思ひやる」は、遠く思いを馳せる、の意である。
二句「心ばかりは」は、心だけは、の意で、「ばかり」は限定を表す。
三句「さはらじを」は、妨げられないだろうに、の意で、「じ」は打消の推量、「を」は逆接を表す。
四句「何隔つらん」は、どうして隔てるのだろう、の意で、「らん」は原因の推量を表す。
結句「峰の白雲」は、峰にかかる白雲よ、の意で、旅立つ人との間を隔てるものとして呼びかけている。体言止めとなっている。
はなむけ:旅立つ人に贈る餞別、また送別の宴
さはる:妨げられる、差し支える
- 作者
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橘直幹
- 出典
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後撰和歌集
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あだ人の手向けに折れる桜花 逢坂までは散らずもあらなん
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ふたみ山ともに越えねどます鏡 底なる影をたぐへてぞやる