笠取の山と頼みし君をおきて
涙の雨に濡れつつぞ行く
- 歌の意味
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笠取山のように頼りにしてきたあなたを都に残して、私は涙の雨に濡れながら旅立って行く。
- 鑑賞
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巻第十九 離別歌 1326
詞書「返し」
笠取山と頼みにしたあなたを残して、涙の雨に濡れながら行く、と詠んだ歌である。前歌の笠取山の趣向を受け、雨露を防ぐ笠のように頼りにしてきた人を都に残し、涙に濡れながら旅立つ悲しみを詠んでいる。
前歌に対する、源宗于の娘の返しである。
作者の「宗于朝臣の娘」は源宗于の娘である。父の源宗于は光孝天皇の孫で、三十六歌仙の一人に数えられる。娘の詳しい伝は未詳である。
初句「笠取の」は、笠取山の、の意で、前歌の二句を受けている。
二句「山と頼みし」は、山と頼りにしてきた、の意である。
三句「君をおきて」は、あなたを残して、の意で、字余りとなっている。
四句「涙の雨に」は、雨のように流れる涙に、の意で、笠を持たずに雨に濡れる身を重ねている。
結句「濡れつつぞ行く」は、濡れながら行く、の意で、「ぞ」を受けて連体形「行く」で結ぶ係り結びとなっている。
たのむ:頼みにする、あてにする
- 作者
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源宗于の娘
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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いかでなほ笠取山に身をなして 露けき旅に添はむとぞ思ふ
- 次の歌
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君が行く方にありてふ涙川 まづは袖にぞ流るべらなる