君をのみしのぶの里へ行くものを
あひづの山のはるけきやなぞ
- 歌の意味
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あなたばかりを偲ぶという名の信夫の里へ行くのに、逢うという名の会津の山がはるかに遠いのはどうしてなのか。
- 鑑賞
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巻第十九 離別歌 1331
詞書「友則が娘の陸奥へまかりけるにつかはしける」
あなただけを偲ぶ信夫の里へ行くのに、逢うという会津の山が遥かなのはなぜか、と詠んだ歌である。陸奥へ下る友に、陸奥の地名の「信夫」に「偲ぶ」、「会津」に「逢ふ」を掛け、偲び合う仲なのに逢うことが遠くなるのを嘆いている。
詞書によれば、紀友則の娘が陸奥へ下った時に送った歌である。
作者の「藤原滋幹が娘」は藤原滋幹の娘である。父の藤原滋幹は藤原国経の子で、娘の詳しい伝は未詳である。
初句「君をのみ」は、あなたばかりを、の意である。
二句「しのぶの里へ」の「しのぶ」は、陸奥の地名の「信夫」と「偲ぶ」を掛けた掛詞である。
三句「行くものを」は、行くのに、の意で、「ものを」は逆接を表す。
四句「あひづの山の」の「あひづ」は、陸奥の地名の「会津」と「逢ふ」を掛けた掛詞である。二句の「しのぶ」と対になっている。
結句「はるけきやなぞ」は、遥かに遠いのはどうしてなのか、の意である。
しのぶ:陸奥の地名の「信夫」の意と、「偲ぶ」を掛ける
あひづ:陸奥の地名の「会津」の意と、「逢ふ」を掛ける
- 作者
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藤原滋幹の娘
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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添へてやる扇の風し心あらば 我が思ふ人の手をな離れそ
- 次の歌
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年を経てあひ見る人の別れには 惜しきものこそ命なりけれ