雲分くる天の羽衣うち着ては
君が千歳にあはざらめやは
- 歌の意味
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雲を分けて空を行く天の羽衣のようなこの衣を着たならば、あなたの千年の長寿にめぐり合わないことがあろうか、きっとめぐり合えるだろう。
- 鑑賞
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巻第二十 慶賀歌 1369
詞書「典侍あきらけい子、父の宰相のために賀し侍りけるに、玄朝法師の裳唐衣縫ひてつかはしたりければ」
雲を分けて行く天の羽衣を着たなら、あなたの千年にめぐり合わないことがあろうか、と詠んだ歌である。贈られた裳唐衣を天人の羽衣に見立て、それを着て父の千年の長寿を見届けることができると、祝いの心と感謝を表している。
詞書によれば、典侍あきらけい子が父の宰相のために賀を催した時、玄朝法師が裳唐衣を縫って贈ってきたので詠んだ歌である。歌の「君」は、賀を受ける父を指すとみられる。
作者は典侍あきらけい子とあり、内侍司の次官である典侍として宮中に仕えた女性であるが、詳しい伝は未詳である。
初句「雲分くる」は、雲を分けて空を行く、の意で、天人の飛ぶさまをいう。
二句「天の羽衣」は、天人が着て空を飛ぶという衣で、詞書の裳唐衣を見立てている。
三句「うち着ては」は、身に着けたならば、の意で、「うち」は接頭語である。
四句「君が千歳に」は、あなたの千年の寿命に、の意で、賀を受ける父の長寿をいう。
結句「あはざらめやは」は、めぐり合わないことがあろうか、の意で、「やは」は反語を表す。必ず千年を見届けようという祝いの心がこもっている。
あまのはごろも:天人が着て空を飛ぶという衣
もからぎぬ:女房の正装である裳と唐衣
ないしのすけ:内侍司の次官、典侍
- 作者
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典侍あきらけい子
- 出典
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後撰和歌集
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万代の霜にも枯れぬ白菊を うしろやすくもかざしつるかな
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今年より若菜に添へて老いの世に 嬉しきことをつまむとぞ思ふ