万代の霜にも枯れぬ白菊を
うしろやすくもかざしつるかな
- 歌の意味
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万代を経ても霜に枯れることのない白菊を、安心して髪に挿したことだ。
- 鑑賞
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巻第二十 慶賀歌 1368
詞書「女八の親王、元良の親王のために四十の賀し侍りけるに、菊の花をかざしに折りて」
万代の霜にも枯れない白菊を、安心して挿頭にしたことだ、と詠んだ歌である。霜にも枯れない白菊に親王の長寿を重ね、その菊を髪に挿すことで、行く末を案じることなく長寿を祝う心を表している。
詞書によれば、女八の宮が元良親王のために四十の賀を催した折、菊の花を挿頭として折って詠んだ歌である。四十の賀は四十歳を迎えた人の長寿を祝う儀で、以後十年ごとに行われた。慶賀の歌の巻頭に、長寿を象徴する菊の歌を置いている。元良親王は陽成天皇の皇子で、小倉百人一首には「わびぬれば今はた同じ難波なる」の歌が採られている。
作者の藤原伊衡は、原文に「藤原伊衡朝臣」とあり、藤原敏行の子で、近衛中将などを経て参議に至った。
初句「万代の」は、限りなく長い年月の、の意である。巻頭の初句に長寿を祝う「万代」を置き、慶賀の巻を寿ぎの語で始めている。
二句「霜にも枯れぬ」は、霜にも枯れることのない、の意で、「ぬ」は打消の助動詞「ず」の連体形である。
三句「白菊を」は、白い菊の花を、の意で、菊は齢を延ばす花とされた。
四句「うしろやすくも」は、後の心配がなく、安心して、の意で、親王の長寿を疑う心配がないことをいう。
結句「かざしつるかな」は、髪に挿したことだ、の意で、「かな」は詠嘆を表す。詞書の「かざしに折りて」を受けている。
よろづよ:限りなく長い年月
かざす:草花や枝を髪や冠に挿す
よそぢのが:四十歳を迎えた人の長寿を祝う儀
- 作者
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藤原伊衡
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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秋山に惑ふ心を宮滝の 滝の白泡に消ちや果ててむ
- 次の歌
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雲分くる天の羽衣うち着ては 君が千歳にあはざらめやは