白露は上より置くをいかなれば
萩の下葉のまづもみづらん
- 歌の意味
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白露は上から置くものなのに、どういうわけで萩の下葉が先に色づくのだろうか。
- 鑑賞
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巻第九 雑歌下 513
詞書「躬恒、忠岑に問ひ侍りける」
白露は上から置くのに、萩はなぜ下葉から先に色づくのかと問いかけた歌である。露が草木の葉を色づかせるという考えをもとに、理屈に合わない自然の様子を取り上げ、歌人に答えを求めている。詞書から、凡河内躬恒と壬生忠岑に問いかけた歌とわかる。ここから第五百二十三首まで、伊衡が問い、躬恒と忠岑が答える問答の歌が続き、自然や言葉の不思議を問う知的な遊びの一連となっている。前の四首が優劣を問う歌であったのを受け、問いの歌がさらに続いている。
作者の「参譲伊衡」は藤原伊衡である。「譲」は「議」の誤記とみられ、参議伊衡を指す。藤原敏行の子で、参議に至った。
初句「白露は」は、白い露は、の意である。
二句「上より置くを」は、上から置くのに、の意で、「を」は逆接の接続助詞である。
三句「いかなれば」は、どういうわけで、の意で、疑問を表し、結句の推量の助動詞「らん」と呼応している。
四句「萩の下葉の」は、萩の下の方の葉が、の意である。次歌の第五百十四首の四句「下葉や上に」、第五百十六首の二句「松の下葉の」、第五百十七首の結句「下葉なりけり」と、「下葉」の語が問答の中で受け継がれていく。
結句「まづもみづらん」は、先に色づくのだろうか、の意で、「らん」は原因を推量する助動詞である。
もみづ:紅葉す。草木の葉が赤や黄に色づく
したば:下葉。草木の下の方の葉
- 作者
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藤原伊衡
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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折からにいづれともなき鳥の音も いかが定めむ時ならぬ身は
- 次の歌
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さを鹿のしがらみ伏する秋萩は 下葉や上になりかへるらん