- 歌の意味
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竹の近くに夜の寝床を設けて寝ることはするまい。鴬の鳴く声を聞くと、朝寝をしていられないから。
- 鑑賞
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巻第二 春歌中 48
詞書「閨の前に竹のある所に宿り侍りて」
寝所の前に竹のある家に泊まり、早朝から竹に来て鳴く鴬の声に起こされたことを、竹の近くでは寝るまいと戯れて詠んだ歌である。朝寝を妨げられたと嘆いてみせながら、実は鴬の声を楽しむ風雅な心がうかがえる。
詞書によれば、寝所の前に竹が植えてある所に泊まったときの歌である。鴬は竹にも宿るものとされ、その声が近くに聞こえた情景が思われる。
作者の藤原伊衡は藤原敏行の子である。左近衛中将などを経て参議に至った。
初句「竹近く」は、寝所の前の竹を示す。本巻の第五十四首にも庭の竹が詠まれ、竹と春の景物を取り合わせる歌が配されている。
二句「夜床寝はせじ」の「夜床」は夜の寝床、「じ」は打消の意志で、竹の近くで夜寝ることはするまい、の意である。ここで句切れとなる。
三句「鴬の」は、竹に来て鳴く鴬を示す。
四句「鳴く声聞けば」は、鴬の声を聞くと、の意で、二句の理由を後から述べる倒置となっている。
結句「朝寝せられず」の「朝寝」は朝遅くまで寝ていることで、「られ」は可能、「ず」は打消である。鴬の声に起こされて朝寝もできないと、戯れて嘆いている。
よどこ:夜の寝床
あさい:朝遅くまで寝ていること、朝寝
ねや:寝所、寝室
- 作者
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藤原伊衡
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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植ゑし時花見むとしも思はぬに 咲き散る見れば齢老いにけり
- 次の歌
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石上ふるの山辺の桜花 植ゑけむ時を知る人ぞなき