禊して思ふ事をぞ祈りつる
やほよろづよの神のまにまに
- 歌の意味
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禊をして、心に思うことを祈った。八百万の神の御心のままに、八百万代までの長寿を。
- 鑑賞
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巻第五 賀歌 293
詞書「承平四年、中宮の賀し侍りける屏風」
禊をして身を清め、心に思う願いを八百万の神の御心のままに祈ったと詠む歌である。「やほよろづ」の神に「よろづよ」の長寿を重ね、神々の加護のもとで限りない長寿が授かるよう祈っている。詞書によれば、承平四年(934)の中宮の賀の屏風に添えた歌である。
作者の「参議伊衡」は藤原伊衡である。藤原敏行の子で、参議に至った。
初句「禊して」は、川などで身を清めて、の意である。前歌の夏越の祓えに続き、身を清める歌である。
二句「思ふ事をぞ」は、心に思うことを、の意で、係助詞「ぞ」による強調である。
三句「祈りつる」は、祈った、の意で、係助詞「ぞ」を受けて完了の助動詞「つ」の連体形で結ぶ。ここで句切れとなる。
四句「やほよろづよの」は、八百万の神の意と、八百万代の意とを掛ける。本巻の第二百六十八首も「八百万代」を詠んでいる。
結句「神のまにまに」は、神の御心のままに、の意である。巻頭の第二百六十三首の結句「神ぞ知るらん」と、祈りを神に委ねる心を共有している。
みそぎ:川などの水で身を清め、罪や穢れを祓うこと
やほよろづよ:八百万の神の意と、限りなく長い年月の意とを掛ける
- 作者
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藤原伊衡
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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水無月の夏越の祓へする人は 千年の命延ぶといふなり
- 次の歌
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万代に変はらぬ花の色なれば いづれの秋か君が見ざらん