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水無月の夏越の祓へする人は
千年の命延ぶといふなり

歌の意味
六月の夏越の祓えをする人は、千年もの命が延びるというそうだ。
鑑賞
巻第五 賀歌 292

詞書「題しらず」
 六月の夏越の祓えをする人は千年の命を延ばすといわれると詠む歌である。年中行事の祓えに長寿の願いを結びつけ、身を清めて命を延ばすことへの祝意を表している。

 初句「水無月の」は、陰暦六月の、の意である。
 二句「夏越の祓へ」は、六月の末日に行う祓えで、茅の輪をくぐるなどして半年の罪や穢れを祓う行事である。
 三句「する人は」は、する人は、の意である。
 四句「千年の命」は、千年の命、の意である。
 結句「延ぶといふなり」は、延びるというそうだ、の意で、「なり」は伝聞の助動詞である。次歌の第二百九十三首も禊をして祈る歌で、身を清めて長寿を祈る歌が並んでいる。

なごしのはらへ:陰暦六月の末日に行う祓え。半年の罪や穢れを祓う
みなづき:陰暦六月の異名
のぶ:命が延びる
作者
よみ人しらず
出典
拾遺和歌集
前の歌
松をのみ常磐と思ふに世とともに 流す泉も緑なりけり
次の歌
禊して思ふ事をぞ祈りつる やほよろづよの神のまにまに