今年より若菜に添へて老いの世に
嬉しきことをつまむとぞ思ふ
- 歌の意味
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今年からは、若菜を摘むのに添えて、老いの身の世に、嬉しいことを積み重ねていこうと思う。
- 鑑賞
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巻第二十 慶賀歌 1370
詞書「題しらず」
今年からは若菜に添えて、老いの世に嬉しいことを積もうと思う、と詠んだ歌である。新春に若菜を摘む行事に寄せ、老境に入った身に、これからは喜びを積み重ねていきたいと、年頭の祝いの心を詠んでいる。
作者の「太政大臣」は藤原忠平である。藤原基経の四男で、摂政、関白、太政大臣を歴任し、貞信公と諡された。小倉百人一首には「小倉山峰のもみぢ葉心あらば」の歌が採られている。
初句「今年より」は、今年からは、の意である。
二句「若菜に添へて」は、若菜を摘むのに添えて、の意で、若菜は新春に摘んで食べ、長寿を祈るものであった。
三句「老いの世に」は、老いの身の日々に、の意である。
四句「嬉しきことを」は、喜ばしいことを、の意である。
結句「つまむとぞ思ふ」の「つま」は、若菜を「摘ま」と、喜びを「積ま」を掛けた掛詞で、「む」は意志を表す。「ぞ」を受けて連体形「思ふ」で結ぶ係り結びとなっている。
わかな:春の初めに摘んで食べ、長寿を祈る若い草
つむ:若菜を「摘む」意と、喜びを「積む」意を掛ける
- 作者
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藤原忠平
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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雲分くる天の羽衣うち着ては 君が千歳にあはざらめやは
- 次の歌
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琴の音も竹も千歳の声するは 人の思ひにかよふなりけり