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琴の音も竹も千歳の声するは
人の思ひにかよふなりけり

歌の意味
琴の音も笛の竹の音も、千年の長寿を祝う声に聞こえるのは、人々の祝う思いに通じているからなのであった。
鑑賞
巻第二十 慶賀歌 1371

詞書「章明の親王冠しける日、遊びし侍りけるに、右大臣これかれ歌詠ませ侍りけるに」
 琴の音も竹の笛の音も千年の声がするのは、人の思いに通じているからだ、と詠んだ歌である。元服の祝いの管絃の遊びで、楽の音までが千年の長寿を祝うように聞こえるのは、集う人々の祝いの思いが楽の音に通い合っているからだと詠んでいる。
 詞書によれば、章明親王が元服した日に管絃の遊びが催され、右大臣が人々に歌を詠ませた折の歌である。章明親王は醍醐天皇の皇子である。
 作者の「つらゆき」は紀貫之である。紀望行の子で、古今和歌集の撰者の中心となり、仮名序を書いた。土佐日記の作者としても知られ、小倉百人一首には「人はいさ心も知らずふるさとは」の歌が採られている。

 初句「琴の音も」は、琴の音色も、の意である。
 二句「竹も千歳の」は、竹の笛の音も千年の、の意で、「竹」は笛などの管楽器を指す。千年を経る竹の長寿も響かせている。
 三句「声するは」は、千年を祝う声に聞こえるのは、の意である。
 四句「人の思ひに」は、宴に集う人々の祝う思いに、の意である。
 結句「かよふなりけり」は、通じ合っているのだった、の意で、「なりけり」は気づきを表す。

かうぶり:元服して初めて冠を着けること
あそび:詩歌や管絃を楽しむ催し
作者
紀貫之
出典
後撰和歌集
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