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百年と祝ふを我は聞きながら
思ふがためはあかずぞありける

歌の意味
百年の長寿をと祝う言葉を私は聞きながらも、大切に思う人のためには、それでもまだ物足りなく思われることだ。
鑑賞
巻第二十 慶賀歌 1372

詞書「賀のやうなることし侍りける所にて」
 百年をと祝うのを聞きながらも、思う人のためには物足りない、と詠んだ歌である。賀の席で百年の寿命を祝う言葉を聞いても、大切に思う人にはそれ以上の長寿を願わずにはいられないと、祝いの心の深さを詠んでいる。
 詞書によれば、賀のような祝い事を催した所で詠んだ歌である。
 作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。

 初句「百年と」は、百年の長寿をと、の意である。本巻の第千三百七十六首も「百年」を詠み、さらに八十年を添えている。
 二句「祝ふを我は」は、祝う言葉を私は、の意である。
 三句「聞きながら」は、聞きながらも、の意で、「ながら」は逆接を表す。
 四句「思ふがためは」は、大切に思う人のためには、の意である。
 結句「あかずぞありける」は、物足りなく思われることだ、の意で、「ぞ」を受けて連体形「ける」で結ぶ係り結びとなっている。

ももとせ:百年
いはふ:幸いを祈って祝う
作者
よみ人しらず
出典
後撰和歌集
前の歌
琴の音も竹も千歳の声するは 人の思ひにかよふなりけり
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大原や小塩の山の小松原 はや木高かれ千代の影見む