山人のこれる薪は君がため
多くの年を積まむとぞ思ふ
- 歌の意味
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山人が伐り出したこの薪は、あなたのために、多くの年を積み重ねるようにと思って積むのである。
- 鑑賞
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巻第二十 慶賀歌 1380
詞書「今上、梅壺におはしましし時、薪樵らせて奉りたまひける」
山人の樵った薪は、あなたのために多くの年を積もうと思うのだ、と詠んだ歌である。村上天皇に薪を献上するにあたり、薪を積み上げることに、天皇の年齢を積み重ねる長寿の願いを重ねている。
詞書によれば、今上の村上天皇が梅壺にいらした時、薪を樵らせて献上した折の歌である。次歌は天皇の返しで、二首は贈答の一組となっている。
作者の「太政大臣」は藤原忠平である。藤原基経の四男で、摂政、関白、太政大臣を歴任し、貞信公と諡された。小倉百人一首には「小倉山峰のもみぢ葉心あらば」の歌が採られている。
初句「山人の」は、山に住む人の、の意で、薪を樵る人をいう。
二句「これる薪は」は、伐り出した薪は、の意である。
三句「君がため」は、あなたのために、の意である。本巻の第千三百七十五首、第千三百八十二首では初句に置かれた語を、ここでは三句に置いている。
四句「多くの年を」は、多くの年齢を、の意である。
結句「積まむとぞ思ふ」は、積み重ねようと思う、の意で、薪を積むことに年を積むことを重ねている。「ぞ」を受けて連体形「思ふ」で結ぶ係り結びとなっている。次歌の二句「積まむ」に受けられている。
やまびと:山に住む人、きこり
こる:木を切る、樵る
うめつぼ:宮中の殿舎の一つ、凝花舎
- 作者
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藤原忠平
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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教へおくこと違はずは行く末の 道遠くともあとはまどはじ
- 次の歌
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年の数積まむとすなる重荷には いとど小付けを樵りも添へなむ