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教へおくこと違はずは行く末の
道遠くともあとはまどはじ

歌の意味
教えおいてくださったことに違わずにいれば、行く末の道がどれほど遠くても、跡をたどって迷うことはないだろう。
鑑賞
巻第二十 慶賀歌 1379

詞書「御返し」
 教えおいたことに違わなければ、行く末の道が遠くても跡に迷うことはない、と詠んだ歌である。前歌で手本とともに聖代の跡を学べと言われたのに対し、その教えに従えば、遠い将来まで道に迷うことはないと答えている。
 前歌の太政大臣藤原忠平の歌に対する返しである。
 作者の「今上」は村上天皇である。醍醐天皇の皇子で、母は藤原穏子である。親政を行い、その治世は天暦の治と称えられた。後撰和歌集の撰集を命じた天皇である。

 初句「教へおく」は、教えおいてくださる、の意で、前歌の「ならへ」に応じている。
 二句「こと違はずは」は、ことに違わずにいれば、の意で、「ずは」は打消の仮定を表す。
 三句「行く末の」は、将来の、の意である。
 四句「道遠くとも」は、道が遠くても、の意で、「道」に治世の道を重ねている。
 結句「あとはまどはじ」の「あと」は、手本の「筆跡」と、道に残る「足跡」を掛けた掛詞で、前歌の結句「あと」を受けている。「じ」は打消の意志を表す。

あと:手本の「筆跡」の意と、道に残る「足跡」の意を掛ける
まどふ:迷う
作者
村上天皇
出典
後撰和歌集
前の歌
君がため祝ふ心の深ければ 聖の御代のあとならへとぞ
次の歌
山人のこれる薪は君がため 多くの年を積まむとぞ思ふ