年の数積まむとすなる重荷には
いとど小付けを樵りも添へなむ
- 歌の意味
-
年の数を積もうとしているという重荷には、さらに小付けとして薪を樵って添えてほしいものだ。
- 鑑賞
-
巻第二十 慶賀歌 1381
詞書「御返し」
年の数を積もうという重荷には、さらに小付けを樵って添えてほしい、と詠んだ歌である。前歌の、薪を積むように年を積むという言葉を受け、その重荷にさらに小付けを添えよと答え、贈り主の長寿をさらに重ねるよう願い返しているとみられる。
前歌の太政大臣藤原忠平の歌に対する返しである。
作者の「御製」は村上天皇である。醍醐天皇の皇子で、母は藤原穏子である。親政を行い、その治世は天暦の治と称えられた。後撰和歌集の撰集を命じた天皇である。
初句「年の数」は、年齢の数、の意である。
二句「積まむとすなる」は、積もうとしているという、の意で、前歌の結句「積まむ」を受けている。「なる」は伝聞を表す。
三句「重荷には」は、重い荷には、の意で、積み上げた薪を重荷と見ている。
四句「いとど小付けを」は、さらに小付けを、の意で、大きな荷の上に添える小さな荷をいう。
結句「樵りも添へなむ」は、樵って添えてほしい、の意で、「なむ」は他にあつらえ望む終助詞である。前歌の「樵れる」を受けている。
おもに:重い荷物
こづけ:大きな荷の上に付け加える小さな荷
こる:木を切る、樵る
- 作者
-
村上天皇
- 出典
-
後撰和歌集
- 前の歌
-
山人のこれる薪は君がため 多くの年を積まむとぞ思ふ
- 次の歌
-
君がため移して植うる呉竹に 千代も籠もれる心地こそすれ