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別れにしほどを果てとも思ほえず
恋しきことの限りなければ

歌の意味
死に別れてからの月日を、喪の果てとも思われない。恋しいことには限りがないので。
鑑賞
巻第二十 慶賀歌 1391

詞書「時望の朝臣身まかりてのち、果てのころ近くなりて、人のもとより、いかに思ふらむと言ひおこせたりければ」
 死に別れてからの月日を果てとも思えない、恋しいことに限りがないので、と詠んだ歌である。夫の喪の終わりが近づき、気遣う便りを受けて、喪には果てがあっても恋しさには限りがないと、尽きない悲しみを答えている。
 詞書によれば、夫の平時望が亡くなったのち、喪の終わる時期が近くなって、ある人のもとからどのように思っているかと言ってよこしたので詠んだ歌である。
 作者の「時望朝臣妻」は平時望の妻で、名は伝わらない。平時望は中納言に至った官人である。

 初句「別れにし」は、死に別れてしまった、の意である。
 二句「ほどを果てとも」は、その月日を喪の果てとも、の意で、詞書の「果て」を受けている。
 三句「思ほえず」は、思われない、の意である。ここで句切れとなる。
 四句「恋しきことの」は、恋しいことの、の意である。
 結句「限りなければ」は、限りがないので、の意で、二句の「果て」と対をなしている。三句と倒置になっている。

はて:喪の終わり、また一周忌
おもほゆ:自然に思われる
作者
平時望の妻
出典
後撰和歌集
前の歌
山科の宮の草木と君ならば 我はしづくに濡るばかりなり
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種もなき花だに散らぬ宿もあるを などか形見の子だになからむ