折りて見るかひもあるかな梅の花
今日九重のにほひまさりて
- 歌の意味
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折って見る甲斐もあることだ、梅の花よ。今日は宮中で、その美しさがいっそうまさって。
- 鑑賞
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巻第十六 雑春歌 1010
詞書「同じ御時、梅の花のもとに御椅子立てさせ給ひて、花宴させ給ふに、殿上のをのこども歌仕うまつりけるに」
宮中の花の宴で、梅の花は折って見る甲斐がある、今日は宮中でその美しさがいっそうまさっていると詠む歌である。詞書の「同じ御時」は前歌の第千九首の「天暦御時」を受け、村上天皇が梅の花のもとに御椅子を立てて花の宴を催し、殿上人たちが歌を詠んだ折の歌とわかる。帝の宴に咲く梅の美しさをたたえ、宴の晴れやかさを祝っている。
作者の源寛信は、村上天皇の時代の殿上人で、伝は詳らかでない。
初句「折りて見る」は、手折って見る、の意である。
二句「かひもあるかな」は、甲斐もあることだ、の意で、「かな」は詠嘆を表す。ここで句切れとなる二句切れの歌である。
三句「梅の花」は、梅の花よ、と呼びかける句である。
四句「今日九重の」は、今日の宮中の、の意で、「九重」は宮中をいう。
結句「にほひまさりて」は、美しさがいっそうまさって、の意で、二句の「かひもある」理由を倒置して添えている。本巻の第千五首の二句「君がにほひの」と、「にほひ」の語を共有している。
ここのへ:九重。宮中
てんじやうのをのこ:殿上の男。清涼殿の殿上の間に昇ることを許された男性官人
- 作者
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源寛信
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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花の色は飽かず見るとも鶯の ねぐらの枝に手ななふれそも
- 次の歌
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かざしては白髪にまがふ梅の花 今はいづれを抜かむとすらん