我のみやこの世は憂きと思へども
君も嘆くと聞くぞ悲しき
- 歌の意味
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この世をつらいと思うのは私だけだろうかと思っていたけれど、あなたも嘆いていると聞くのが悲しい。
- 鑑賞
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巻第二十 哀傷 1305
詞書「大納言朝光が娘の女御、まかり隠れにけることを聞き侍りて、筑紫より訪ひにおこせて侍りけるころ、子馬助ちかしげが亡くなりて侍りければ」
この世をつらいと思うのは私だけかと思っていたが、あなたも嘆いていると聞くのが悲しいと詠む歌である。詞書から、作者が筑紫にいて、大納言藤原朝光の娘の女御が亡くなったことを聞き、見舞いを送っていた頃、自分の子の馬助ちかしげも亡くなったので詠んだ歌とわかる。子を失った者どうしとして、我が身の悲しみと朝光の悲しみとを重ね合わせている。次歌の第千三百六首は朝光の返しである。
作者の藤原共政朝臣妻は、藤原共政の妻で、伝は詳らかでない。
初句「我のみや」は、私だけが、の意で、係助詞「や」は疑問を表す。
二句「この世は憂きと」は、この世はつらいと、の意である。次歌の第千三百六首の初句「憂き世には」と、「憂き」の語を共有している。
三句「思へども」は、思っていたけれど、の意で、「ども」は逆接の接続助詞である。
四句「君も嘆くと」は、あなたも嘆いていると、の意で、娘を亡くした朝光をいう。
結句「聞くぞ悲しき」は、聞くのが悲しい、の意で、係助詞「ぞ」を受けて形容詞の連体形「悲しき」で結ぶ係り結びである。本巻の第千二百七十八首の結句「聞くぞ悲しき」と、同じ句を共有している。
にようご:女御。天皇の妃の位の一つ
うし:憂し。つらい
- 作者
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藤原共政朝臣妻
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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なよ竹の我が子のよをば知らずして 生ほし立てつと思ひけるかな
- 次の歌
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憂き世にはある身も憂しと嘆きつつ 涙のみこそふる心地すれ