なよ竹の我が子のよをば知らずして
生ほし立てつと思ひけるかな
- 歌の意味
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なよ竹の節のように短いわが子の命とも知らないで、立派に育て上げたと思っていたことだ。
- 鑑賞
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巻第二十 哀傷 1304
詞書「子に後れて詠み侍りける」
なよ竹の節のように短いわが子の命とも知らず、育て上げたと思っていたと詠む歌である。詞書から、子に先立たれて詠んだ歌とわかる。「よ」に竹の「節」と「世」を掛け、節と節の間の短い竹のように、わが子の命が短いものとも知らないで、育て上げたと安心していた自分を顧みて、親の悲しみを詠んでいる。
作者の平兼盛は、光孝天皇の流れをくみ、臣籍に下って平の姓を賜った。三十六歌仙に数えられ、百人一首の「しのぶれど」の歌で知られる。
初句「なよ竹の」は、しなやかな竹の、の意で、竹の節の「よ」を導く枕詞として用いられている。
二句「我が子のよをば」は、「よ」が竹の「節」と、命の「世」を掛ける掛詞である。わが子の命を、の意となる。
三句「知らずして」は、知らないで、の意で、命が短いことを知らなかったことをいう。
四句「生ほし立てつと」は、育て上げたと、の意で、「つ」は完了の助動詞である。
結句「思ひけるかな」は、思っていたことだ、の意で、「ける」は過去の助動詞「けり」の連体形、「かな」は詠嘆を表す。
よ:竹の「節」と、命の「世」を掛ける
なよたけ:なよ竹。しなやかな細い竹
おほしたつ:生ほし立つ。育て上げる
- 作者
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平兼盛
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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思ひやるこごひの森の雫には よそなる人の袖も濡れけり
- 次の歌
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我のみやこの世は憂きと思へども 君も嘆くと聞くぞ悲しき