- 歌の意味
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宮中に咲いているのを見ると、藤の花は、濃い紫色のめでたい雲が立ちのぼっているようだ。
- 鑑賞
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巻第二 春歌下 119
詞書「永承六年内裏歌合に、藤花をよみ侍りける」
永承六年(1051)に内裏で催された歌合で、「藤花」を題として詠んだ歌である。宮中に咲く藤の花を見ると、濃い紫色の雲が立ちのぼっているかのようだ、と詠む。紫の雲はめでたいしるしとされる瑞雲であり、宮中に咲く藤を紫雲に見立てることで、御代の繁栄を祝う心を込めている。
作者の「中納言祐家」は藤原祐家である。権大納言藤原長家の子で、権中納言に至った。
初句「九重に」の「九重」は宮中のことである。本巻の第百十三首も「九重に」で始まり、宮中に移された花を詠む。
二句「咲けるを見れば」の「る」は存続の助動詞「り」の連体形で、咲いているのを見ると、の意となる。
三句「藤の花」は、一首の主題を示す。
四句「濃き紫の」は、藤の花の色を示すとともに、めでたいしるしとされる紫の雲を導く。
結句「雲ぞ立ちける」の「ぞ」は係助詞で、「ける」と連体形で結ぶ。藤の花房を立ちのぼる紫雲に見立て、宮中の繁栄を祝う。
ここのへ:宮中
むらさきのくも:めでたいしるしとされる紫色の雲
- 作者
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藤原祐家
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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いづかたに匂ひ増すらむ藤の花 春と夏との岸を隔てて
- 次の歌
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年経れど変はらぬ松を頼みてや かかりそめけん池の藤波