- 歌の意味
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吹く風に折れ伏してしまったので、女郎花にとっては、籬こそが花の枕なのであった。
- 鑑賞
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巻第四 秋歌上 254
詞書「題しらず」
吹く風に折れ伏してしまった女郎花が、籬にもたれかかっているのを見て、籬こそが女郎花の枕なのであった、と詠む。女郎花を女性になぞらえ、風に倒れて籬に寄りかかる姿を、枕に身を横たえる女性の姿に見立てている。女郎花を詠む歌はここで結ばれる。
作者の「藤原行家」は藤原行国の子で、平安時代後期の廷臣である。詳しい伝は明らかでない。
本巻の第二百四十八首「裾野の萩ぞ籬なりける」は、萩を籬に見立てており、本歌は籬を女郎花の枕に見立てる。二首は「籬」と「ぞ〜なりける」の形を共有して響き合う。
初句「吹く風に」は、吹く風によって、の意である。前の第二百五十二首が風になびく女郎花を詠んだのに続き、本歌は風に倒れた女郎花を詠む。
二句「折れ伏しぬれば」の「折れ伏す」は折れて倒れ伏す意、「ぬれ」は完了の助動詞「ぬ」の已然形で、折れ伏してしまったので、の意となる。
三句「女郎花」は、一首の主題を示す。
四句「籬ぞ花の」の「籬」は柴や竹で目を粗く編んだ垣で、「ぞ」は係助詞として結句の「ける」と係り結びをなす。本巻の第二百四十八首「籬なりける」と同じく籬を詠む。
結句「枕なりける」の「ける」は気づきを表す「けり」の連体形で、「ぞ」の結びとなる。籬にもたれる女郎花を、枕に身を横たえる姿に見立てる。
をれふす:折れて倒れ伏す
まがき:柴や竹で目を粗く編んだ垣
- 作者
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藤原行家
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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女郎花涙に露や置き添ふる 手折ればいとど袖のしをるる
- 次の歌
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夕されば萱が茂みに鳴き交はす 虫の音をさへ分けつつぞ行く