かたみにや上毛の霜を払ふらむ
友寝の鴛鴦の諸声に鳴く
- 歌の意味
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互いに上毛の霜を払い合っているのだろうか。共寝をする鴛鴦が、声をそろえて鳴いている。
- 鑑賞
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巻第六 冬歌 429
詞書「水鳥をよめる」
水鳥の題で詠んだ歌である。互いに上毛に置いた霜を払い合っているのだろうか、共寝をする鴛鴦が声をそろえて鳴いている、と詠む。仲のよい夫婦の象徴とされる鴛鴦が、霜の降りる寒い夜に寄り添って鳴く姿を、互いをいたわり合うものとして描いている。
作者の「源親房」は院政期の歌人であるが、詳しい伝は明らかでない。
第四百二十九首から第四百三十七首までの九首は、水鳥を詠む歌である。鴛鴦や鴨などの水鳥は、冬の水辺の景物とされた。
初句「かたみにや」の「かたみに」は、互いに、の意である。「や」は疑問の係助詞で、二句の「らむ」と連体形で結ぶ。
二句「上毛の霜を」の「上毛」は鳥の体の表面を覆う羽毛である。本巻の第四百三十二首も「上毛の霜」を詠む。
三句「払ふらむ」の「らむ」は現在推量の助動詞で、霜を払っているのだろうか、と推し量る。ここで句切れとなる。本巻の第四百三十六首は「払ひかねてや」と、霜を払いかねる鴛鴦を詠む。
四句「友寝の鴛鴦の」の「友寝」は共寝、一緒に寝ること、「鴛鴦」はオシドリで、雌雄がいつも連れ添う鳥とされる。
結句「諸声に鳴く」の「諸声」は、声をそろえること、一緒に鳴くことである。
うはげ:鳥の体の表面を覆う羽毛
ともね:一緒に寝ること、共寝
をし:オシドリ
もろごゑ:声をそろえること
- 作者
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源親房
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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霜枯れの難波の葦のほのぼのと 明くる湊に千鳥鳴くなり
- 次の歌
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水鳥を水の上とやよそに見む 我もうきたる世を過ぐしつつ