呉竹の折れ伏す音のなかりせば
夜深き雪をいかで知らまし
- 歌の意味
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呉竹が雪の重みで折れ伏す音がなかったならば、夜更けに降り積もる雪を、どうして知ることができただろう。
- 鑑賞
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巻第六 冬歌 464
詞書「題しらず」
呉竹が雪の重みで折れ伏す音がなかったならば、夜更けに降り積もった雪をどうして知ることができただろう、と詠む。静かに降り積もって音を立てない雪を、竹の折れる音によって知るという趣向で、静まりかえった夜の深さと雪の重さとを、一つの音によって表している。
作者の「坂上明兼」は、律令の学問を家業とした坂上氏の人で、明法博士を務めた。
第四百四十五首から第四百六十七首まで、雪を詠む歌が続く。本巻の第四百四十六首、第四百四十七首が見ないうちに雪を知ることを詠んだのに続き、本歌は音によって夜の雪を知る。また第四百六十二首の軒端の竹に続き、雪と竹とを取り合わせている。
初句「呉竹の」の「呉竹」は淡竹の別名で、中国から渡来した竹とされる。
二句「折れ伏す音の」は、雪の重みで折れて倒れ伏す音の、の意である。
三句「なかりせば」の「せば」は反実仮想の仮定で、結句の「まし」と呼応する。もしなかったならば、の意である。
四句「夜深き雪を」は、夜更けに降り積もった雪を、の意である。
結句「いかで知らまし」の「いかで」は反語で、どうして知ることができただろうか、の意である。「まし」は反実仮想の助動詞で、三句の「せば」と呼応する。
くれたけ:淡竹の別名で、中国から渡来した竹とされる
をれふす:折れて倒れ伏す
- 作者
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坂上明兼
- 出典
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千載和歌集
- 前の歌
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駒の跡はかつ降る雪に埋もれて 遅るる人や道惑ふらん
- 次の歌
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真柴刈る小野の細道跡絶えて 深くも雪のなりにけるかな