うたた寝の夢に逢ひ見て後よりは
人も頼めぬ暮れぞ待たるる
- 歌の意味
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うたた寝の夢であの人に逢ってからというもの、あの人が来ると約束したわけでもない夕暮れが、自然と待たれることだ。
- 鑑賞
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巻第十二 恋歌二 738
詞書は前の歌に続き「題しらず」
うたた寝の夢で逢ってからは、人が来ると約束したわけでもない夕暮れが待たれる、と詠む。古今和歌集の小野小町の「うたた寝に恋しき人を見てしより夢てふものは頼みそめてき」を踏まえ、夢で逢ったことから、来るあてもない恋人をつい夕暮れに待ってしまう心を表している。
作者の「源慶法師」は平安時代後期の僧である。経歴の詳細は多く伝わらない。
本巻の第七百四十四首は、恋人の訪れを待ちながら暮れにくい大空を恨む歌で、夕暮れを待つ心を詠む点で本歌と対応する。
初句「うたた寝の」は、横になるつもりもなくうとうとと眠ることの、の意である。小野小町の「うたた寝に」の歌を踏まえる。
二句「夢に逢ひ見て」は、夢で恋人に逢って、の意である。
三句「後よりは」は、その後からは、の意である。
四句「人も頼めぬ」の「頼め」は下二段活用の「頼む」で、あてにさせる、約束する、の意である。「ぬ」は打消しの助動詞「ず」の連体形で、人が来ると約束したわけでもない、の意となる。
結句「暮れぞ待たるる」の「ぞ」は強意の係助詞で、連体形「待たるる」と係り結びをなす。「るる」は自発の助動詞「る」で、夕暮れが自然と待たれる、の意である。本巻の第七百四十四首も夕暮れを待つ心を詠む。
うたたね:横になるつもりもなく、うとうとと眠ること
たのむ:下二段活用で、あてにさせる、約束する
- 作者
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源慶
- 出典
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千載和歌集
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つれなさに今は思ひも絶えなまし この世一つの契りなりせば
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あはれとも枕ばかりや思ふらむ 涙絶えせぬ夜半の気色を