かねてより思ひしことぞ伏柴の
こるばかりなるなげきせんとは
- 歌の意味
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前から思っていたことだ。伏柴を樵るという言葉のように、懲りるほどの嘆きをすることになろうとは。
- 鑑賞
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巻第十三 恋歌三 799
詞書「花薗左大臣に遣はしける」
花園左大臣源有仁に贈った歌である。前から思っていたことだ、伏柴を樵るように懲りるほどの嘆きをすることになろうとは、と詠む。身分の高い有仁との恋は、いずれ捨てられて悔やむことになると初めからわかっていたと言い、柴を「樵る」と「懲る」、「嘆き」と「投げ木」を掛けて、薪の縁で嘆きの深さを表している。作者はこの歌によって「伏柴の加賀」と呼ばれた。
作者の「待賢門院加賀」は鳥羽天皇の中宮待賢門院藤原璋子に仕えた女房である。詞書の「花薗左大臣」は後三条天皇の孫で輔仁親王の子の源有仁で、左大臣に至った。
初句「かねてより」は、前々から、初めから、の意である。
二句「思ひしことぞ」の「ぞ」は強意の係助詞である。前から思っていたことだ、の意で、ここで句切れとなり、下の句と倒置の関係にある。
三句「伏柴の」の「伏柴」は柴、雑木の小枝で、柴を「樵る」ことから四句の「こる」を導く序詞である。
四句「こるばかりなる」の「こる」は、木を伐る意の「樵る」に、懲りる意の「懲る」を掛ける。懲りるほどの、の意である。
結句「なげきせんとは」の「なげき」は、「嘆き」に薪の意の「投げ木」を掛け、伏柴の縁語となる。「ん」は推量の助動詞「む」で、嘆きをすることになろうとは、の意で二句の「思ひしことぞ」へ返る。
ふししば:柴、雑木の小枝
こる:木を伐る意の「樵る」に、懲りる意の「懲る」を掛ける
なげき:「嘆き」に、薪の意の「投げ木」を掛け、伏柴の縁語となる
- 作者
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待賢門院加賀
- 出典
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千載和歌集
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今朝問はぬつらさにものは思ひ知れ 我もさこそは恨みかねしか
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恋しさは逢ふを限りと聞きしかど さてしもいとど思ひ添ひけり